- インプラント
- 2025.12.29
■インプラントと骨密度の関係:骨粗しょう症の方も治療できる?
皆さん、こんにちは。沖縄県那覇市のナハデンタルです。インプラント治療を検討中で「骨粗しょう症があるとインプラントはできないのでは?」と不安に思われる方も少なくありません。インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む治療であるため、骨の状態が治療の成功に大きく関わります。特に骨密度が低い方や骨粗しょう症の患者様では、埋入後の安定性に影響が出る可能性があります。本コラムでは、インプラント治療と骨密度の関係、そして骨粗しょう症の患者様でも治療が可能なケースについてわかりやすく解説いたします。
▼インプラントと骨密度の関係とは?
インプラントは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に被せ物を固定する治療法です。歯茎の上にのせる義歯やブリッジと異なり、しっかりと骨に固定されることで天然歯に近い噛み心地を得られるのが特徴です。しかし、この安定性は「骨密度」に大きく依存しています。
骨密度が十分にある場合、インプラント体と骨が強固に結合する「オッセオインテグレーション」がスムーズに進み、長期的に安定した機能が期待できます。一方、骨密度が低いと、埋入後の初期固定が弱くなり、インプラントが動揺したり結合が不十分になったりするリスクが高まります。
骨粗しょう症は骨の密度が低下する疾患であり、全身の骨だけでなく顎の骨にも影響を及ぼします。特に閉経後の女性や高齢の患者様では、骨密度の低下が進んでいる場合が多く、治療の可否を判断するためには事前に精密な検査が欠かせません。当院でもCT撮影や骨密度測定を行い、顎の骨の厚みや質を確認した上で治療計画を立てています。
また、骨粗しょう症治療薬の一部(ビスフォスフォネート製剤など)は、まれに顎骨壊死(顎の骨が壊れてしまう合併症)を引き起こすことが知られています。そのため、薬の使用歴についても必ず歯科医師に伝えていただくことが重要です。
▼骨粗しょう症でもインプラントできるケース
骨粗しょう症だからといって、必ずしもインプラント治療ができないわけではありません。骨の状態や服薬状況をしっかりと評価すれば、多くの患者様が安全に治療を受けられるケースもあります。
1. 骨密度が軽度に低下している場合
軽度の骨粗しょう症で、顎の骨の量が十分にある場合は、通常とほぼ同様にインプラント治療が可能です。治療計画時に埋入位置や角度を工夫し、インプラント体を安定させることで良好な結果を得られます。
2. 骨造成を併用する場合
骨が不足している部分には「骨造成(GBR法やサイナスリフトなど)」を行い、骨を補うことでインプラント治療を可能にする方法があります。これにより骨量が少ない方でも治療の選択肢が広がります。
3. 薬の使用歴を考慮した上での治療
骨粗しょう症治療薬を服用している場合でも、服薬期間や種類によってはインプラント治療が可能です。主治医と連携を取り、リスクを最小限に抑えることが大切です。特にビスフォスフォネート製剤を長期使用している方は注意が必要で、事前の医科との情報共有が不可欠です。
4. 全身状態が安定していること
骨粗しょう症の有無にかかわらず、糖尿病や心疾患などの全身疾患がコントロールされていない場合は、治療のリスクが高くなります。逆に全身状態が安定していれば、インプラント治療の成功率は高まります。
このように、骨粗しょう症だからといってすぐに治療を諦める必要はありません。患者様一人ひとりの骨の状態や全身の健康を正しく評価し、最適な治療法を選択することが重要です。
▼まとめ
インプラント治療は骨の状態に大きく左右されるため、骨密度の低下がある患者様では慎重な判断が求められます。骨粗しょう症の方でも、骨量や全身の健康状態が安定していれば治療が可能なケースは多く存在します。重要なのは、歯科医師に病歴や服薬歴を正しく伝え、精密な検査を受けることです。当院では、患者様それぞれの状況に応じて安全性を第一に考えた治療計画をご提案しております。インプラントをご検討中で骨粗しょう症に不安がある方も、ぜひ一度ご相談ください。