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  • 2025.4.7

インプラントは金属アレルギーだとできない?対策と代替治療を解説

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はじめに

金属アレルギーがあるとインプラントはできないのか?という質問が少なからずあります。ここでは「金属アレルギーがあると、インプラントは無理?という患者様の不安に回答したいと思います。

結論:ほとんどの場合、金属アレルギーでもインプラント治療は可能。ただし、ごく稀に注意が必要。 となります。


本記事では、インプラント治療における金属アレルギーの影響や対策、代替治療法について解説させていただきます。

インプラントの金属成分とアレルギーのリスク

インプラントの主成分はチタンです。このチタンという金属は人工関節などにも使われる安全な金属であり、生体親和性がかなり高いです。心臓のペースメーカーなどにも使用されています。したがってアレルギーを引き起こすことはまずありません。ただし、ごく稀にチタンアレルギーの報告があります。

インプラント治療においては上述のように生体親和性が高いチタンを用いた合金が試用されています。具体的にはTi-6Al-4V合金というものが使用されています。これはチタン、バナジウム、アルミナが入った合金であり強度がとても強いです。

Ti-6Al-4V合金の特徴として、強度は鉄の2倍、アルミの3倍あります。また表面に酸化膜を形成しますので酸で溶けなく錆びにくいです。そして、これは最も重要なことですが、生体親和性がかなり高く、骨と生物学的に結合します。つまり、人体が自分の体の一部と勘違いしてしまい骨を作ってしまうのです。

金属アレルギーを引き起こしやすい金属
ニッケル、コバルト、クロム、水銀、パラジウム、スズ、白金、亜鉛、 銅
などであり、インプラント治療では使用されません。

しかし、相場よりも大幅に低価格なインプラントにおいてはこのような金属が使用されている可能性があります。

さらに、インプラントの土台や被せ物に他の金属(ニッケル・コバルトなど)が使われることがあります。これらも金属アレルギーの原因になる可能性があります。

当院では土台にチタン合金を使用し被せ物は同様に生体親和性の高いジルコニアを使用しています。限りなくアレルギーの発生頻度が低いです。

金属アレルギーがある場合どうするのか?その対策

基本的に他の金属アレルギーがあったとしてもインプラント治療でアレルギーがおこることはまずありません。そのまま治療を受けていただいてもよろしいと思います。もし、万が一、アレルギーが起こってしまった場合は、撤去することができます。

金属アレルギーがあるかどうしても調べたい場合


皮膚科でアレルギー検査を受けることができます。パッチテスト・リンパ球刺激試験(LTT)で確認することが一般的ですが、取り扱っている皮膚科は数少ないです。そしてパッチテストはわざとアレルギーを実際に起こす検査になりますので痒みを伴うなどかなり不快な検査となります。

純チタンまたはジルコニア製のインプラントを選ぶ!?


純チタン製のインプラントはほとんど存在しません。当院では純チタン製のインプラントを使用していますと書いてあるホームページを見かけますが、そこで使用されているメーカーのインプラントを調べるとチタン合金製です。純チタンは強度が弱く現代のインプラント治療で使用されることはありません。これはアメリカインプラント学会の試験で出題されるくらいの知識です。ですので純チタン製のインプラントを使用しているという表記はただの勘違いであることが多いです。それにチタンは空気中で直ぐに酸化しますので、空気中で純チタンとして存在するわけがないのではないでしょうか?

ジルコニア製のインプラントを使用するという方法もあります。完全なノンメタルでアレルギーの心配はないです。しかし、残念ながら金属アレルギー以前の問題として、チタン合金製のインプラントに比べてジルコニアインプラントは予後が悪いです。骨とつきにくいということです。したがって、わざわざジルコニア製のインプラントを使用することはないでしょう。当院では一応はジルコニア製のインプラントを取り扱っていますが、使用は稀です。

また、被せ物(上部構造)にセラミックを使用することも金属アレルギーを防ぐために大切です。
金属を使わないオールセラミッククラウンを選択

金属アレルギーの人におすすめの代替治療


① ジルコニアインプラント(メタルフリーのインプラント)

メリット:100%金属不使用でアレルギーの心配なし

デメリット:費用が高め・取り扱い医院が少ない・チタン性インプラントより予後が悪い(骨と付きにくい)

② ブリッジ(セラミック製)

メリット:金属を使わない治療が可能

デメリット:健康な歯を削る必要がある

③ 部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー)

メリット:金属不使用の入れ歯が可能

デメリット:取り外しの手間がある・周辺の歯に負担が大きい

インプラント治療前に確認すべきこと


金属アレルギー検査を受けることも一案だと言われています(アレルギー体質の人は特に重要だと言われています)。しかし、ほとんどの場合は不必要です。金属アレルギー検査の負担が大きい割にチタンでアレルギーを生じる可能性がかなり低いからです。さらにいうとパッチテストでTiにアレルギーがあるからと言って、インプラントでアレルギーが起こるとは限りません。パッチテストは水溶液に溶けたTiイオンであると考えられますがインプラントの表面は酸化したTi合金です。Tiイオンとして溶け出しアレルギー性を発することが少ないと考えられます。

チタンの純度や被せ物の材質を歯科医に相談することが大切であるとも言われています。被せ物の材質はジルコニア 一択だと思いますが、チタンの純度は関係ないと思います。

ジルコニアインプラントの取り扱いがある医院を探すことも時には必要かもしれません

まとめ

金属アレルギーでもインプラントは可能だが慎重な選択が必要
チタンはアレルギーを起こしにくいが、確かにリスクゼロではありません

不安な場合はジルコニアインプラントや代替治療を検討することも必要でしょう

どうしても心配であれば治療前にアレルギー検査を受け、歯科医とよく相談することが大切でしょう

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