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  • 2025.8.9

インプラントが割れた場合の対処法|那覇市の歯科医院が詳しく解説

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インプラント治療を受けられた患者様が「インプラントが割れた」という状況に遭遇することがあります。かなり稀な現象です。500本に1ケースくらいの割合だと思います。このような状況に直面すると、多くの患者様が不安を感じられますが、適切な診断と対処により問題を解決することができます。

沖縄県那覇市のナハデンタルでは、インプラントの破損やトラブルに迅速に対応し、患者様の不安を解消するためのサポート体制を整えております。本記事では、インプラントが割れた場合の原因、対処法、予防策について、専門的な観点から詳しく解説いたします。

インプラントの破損部位と種類

「インプラントが割れた」という症状は、実際には複数の部位で発生する可能性があります。正確な診断のためには、どの部分が破損しているかを特定することが重要です。

インプラント治療で使用される構造は、主にインプラント体(人工歯根)、アバットメント(土台)、人工歯冠(上部構造)の3つの部分から構成されています。これらのうち、どの部分が破損したかによって、対処法や治療の緊急性が大きく異なります。

最も一般的な破損は人工歯冠の破損で、全体の約70-80%を占めます。次にアバットメントの破損、最も稀なケースとしてインプラント体の破損があります。それぞれの特徴と対処法を理解することで、適切な初期対応を行うことができます。

人工歯冠(被せ物)の破損について

人工歯冠の破損は、インプラント治療における最も一般的なトラブルの一つです。セラミックやジルコニアなどの材料で製作された人工歯冠が、様々な原因により破損することがあります。

人工歯冠破損の症状と特徴

人工歯冠が割れた場合、目に見える亀裂や欠け、完全な破折などの症状が現れます。軽度の場合は表面の薄い層が剥がれる程度ですが、重度の場合は歯冠が大きく欠けたり、完全に割れたりすることがあります。

破損部位に舌が触れることで違和感を感じたり、食べ物が挟まりやすくなったりします。また、破損により鋭利な部分ができると、舌や頬を傷つける可能性があるため、注意が必要です。

審美的にも大きな影響があり、特に前歯部の破損では見た目が大きく損なわれ、患者様の日常生活に支障をきたします。

人工歯冠破損の主な原因

人工歯冠の破損には、以下のような原因が考えられます。過度な咬合力による破損が最も多く、硬い食べ物を噛んだり、歯ぎしりや食いしばりにより過大な力がかかったりすることで起こります。

材料の経年劣化も破損の原因となります。長期間の使用により材料が疲労し、微細な亀裂が拡大することで破損に至ります。また、製作時の技術的な問題や、不適切な咬合調整なども破損のリスクファクターとなります。

▼人工歯冠破損の主な原因 ・過度な咬合力(歯ぎしり、食いしばり) ・硬い食べ物による外傷 ・材料の経年劣化 ・不適切な咬合調整 ・事故による外力

アバットメント(土台)の破損について

アバットメントは、インプラント体と人工歯冠を連結する重要な部品です。この部分の破損は人工歯冠の破損よりも深刻で、より専門的な対応が必要となります。

アバットメント破損の症状

アバットメントが破損すると、人工歯冠全体が不安定になったり、完全に脱落したりすることがあります。また、アバットメントの一部がインプラント体内に残存し、除去が困難になる場合もあります。

破損したアバットメントは、インプラント周囲の歯肉に炎症を引き起こす可能性があります。また、破損部位から細菌が侵入し、インプラント周囲炎の原因となることもあります。

アバットメント破損への対処

アバットメントが破損した場合、速やかに歯科医院を受診することが重要です。破損したアバットメントの除去と新しいアバットメントへの交換が必要となります。

除去作業は専用の器具を使用して慎重に行われます。破損の程度によっては、インプラント体に損傷を与えることなく除去することが困難な場合もあり、高度な技術と経験が要求されます。

インプラント体(人工歯根)の破損について

インプラント体の破損は最も深刻なケースで、発生頻度は全体の1-2%程度と稀ですが、起こった場合には大掛かりな治療が必要となります。

インプラント体破損の原因

インプラント体の破損は、長期間にわたる過度な咬合力、材料の疲労、製造上の欠陥などが原因となります。また、骨結合が不十分な状態で過大な力がかかった場合にも破損のリスクが高まります。

細径のインプラント(直径3.5mm未満)では、通常径のインプラントと比較して破損リスクが高くなる傾向があります。これは、断面積が小さいため、同じ力に対してより大きな応力がかかるためです。

インプラント体破損への対処

インプラント体が破損した場合、多くのケースで再インプラント治療が必要となります。破損したインプラント体の完全除去を行い、治癒期間を経た後に新しいインプラントを埋入します。

除去手術は複雑で、周囲の骨組織にダメージを与えないよう慎重に行う必要があります。場合によっては、骨造成術を併用して埋入部位の骨量を回復させる必要があります。

緊急時の応急処置方法

インプラントが割れたことに気づいたら、まずは冷静に状況を把握し、適切な応急処置を行うことが重要です。正しい応急処置により二次的な損傷を防ぎ、治療までの期間を安全に過ごすことができます。

即座に行うべき対処法

破損部位に舌や指で触れることは避けてください。鋭利な部分で舌や指を傷つける可能性があり、また細菌感染のリスクも高まります。痛みがある場合は、市販の鎮痛薬を服用しても構いませんが、用法・用量を守って使用してください。

破損した破片が口の中にある場合は、誤飲を防ぐためできるだけ除去してください。ただし、無理に取り除こうとせず、自然に出てくるのを待つか、うがいで軽く洗い流す程度にとどめてください。

破損部位が鋭利で舌や頬を傷つける場合は、歯科用ワックスやガムで一時的に覆うことができます。薬局で販売されている歯科用ワックスを使用するか、無糖のガムで応急的に保護することも可能です。

食事の注意点

破損部位に負担をかけないよう、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は避けてください。反対側の歯で咀嚼するよう心がけ、破損部位への刺激を最小限に抑えることが重要です。

▼避けるべき食べ物 ・硬いせんべいやナッツ類 ・キャラメルやガムなどの粘着性食品 ・氷や硬いアメ ・繊維質の多い肉類 ・種や皮がある果物

歯科医院での診断と治療

インプラントが割れた場合、速やかに歯科医院を受診し、専門的な診断と治療を受けることが重要です。早期の対応により、より簡単で経済的な治療で問題を解決できる可能性が高まります。

診断方法と検査

歯科医院では、まず視診により破損の状況を詳しく観察します。口腔内写真を撮影し、破損の程度と範囲を記録します。レントゲン検査により、見えない部分の破損やインプラント体の状態を確認します。

必要に応じてCT検査を行い、三次元的な破損状況やインプラント周囲の骨の状態を詳細に評価します。これらの検査結果をもとに、最適な治療方針を決定いたします。

治療オプションの検討

破損の程度と部位により、複数の治療オプションが考えられます。軽度の人工歯冠の欠けの場合は、修理や部分的な補修が可能な場合があります。中等度から重度の破損では、人工歯冠の全面的な作り直しが必要となります。

アバットメントやインプラント体の破損では、より複雑な治療が必要となり、治療期間と費用も増加します。患者様の状況とご希望を考慮し、最適な治療方法をご提案いたします。

修理・交換治療の詳細

破損したインプラント部品の修理や交換は、破損の程度と部位により異なるアプローチが取られます。それぞれの治療方法について詳しく解説いたします。

人工歯冠の修理・交換

軽度の欠けや亀裂の場合、コンポジットレジンによる修理が可能な場合があります。この方法では、1回の来院で修理が完了し、費用も抑えることができます。ただし、修理部位の耐久性は新製の歯冠と比較してやや劣る場合があります。

中等度から重度の破損では、人工歯冠の全面的な作り直しが必要となります。型取りから新しい歯冠の製作、装着まで、通常2-3回の来院が必要です。材料の選択により、より耐久性の高い歯冠を製作することも可能です。

アバットメントの交換

アバットメントの交換では、まず破損したアバットメントの除去を行います。専用の器具を使用して慎重にアバットメントを除去し、インプラント体に損傷を与えないよう注意深く作業を進めます。

新しいアバットメントの選択では、破損の原因を考慮し、より適切な材料や形態のものを選択します。チタン製、ジルコニア製など、患者様の状況に応じて最適な材料を選択いたします。

破損の予防策と長期管理

インプラントの破損を予防するためには、日常的な注意と定期的なメンテナンスが重要です。予防策を理解し実践することで、インプラントの寿命を大幅に延ばすことができます。

日常生活での注意点

過度な咬合力を避けることが最も重要な予防策です。硬い食べ物を噛む際は注意深く行い、無理な力をかけないよう心がけてください。氷を噛む、ペンを噛むなどの悪習慣は避けることが重要です。

歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用を強く推奨いたします。就寝中の無意識な力からインプラントを保護し、破損リスクを大幅に軽減できます。

定期メンテナンスの重要性

定期的な歯科検診により、問題の早期発見が可能となります。微細な亀裂や緩みなどの初期症状を発見し、破損に至る前に適切な対処を行うことができます。

プロフェッショナルクリーニングにより、インプラント周囲の清潔を保ち、インプラント周囲炎による二次的な問題を予防します。また、咬合チェックにより、過度な力がかかっていないかを定期的に確認いたします。

材料別の破損リスクと対策

インプラント治療で使用される材料により、破損のリスクと特徴が異なります。材料の特性を理解することで、より適切な選択と管理が可能となります。

セラミック系材料

ポーセレン(陶材)やジルコニアなどのセラミック系材料は、審美性に優れる反面、衝撃に対してやや脆い特性があります。特にポーセレンは、薄い部分での破損リスクが高くなります。

ジルコニアは強度が高く破損しにくい材料ですが、対合歯(噛み合う相手の歯)を摩耗させる可能性があるため、咬合調整が重要となります。

金属系材料

チタンや金合金などの金属系材料は、強度が高く破損しにくい特徴があります。しかし、審美性の面では劣るため、主に奥歯で使用されます。

金属疲労による破損の可能性もあるため、定期的な点検により微細な亀裂の有無を確認することが重要です。

再発防止のための対策

一度インプラントが破損した場合、同様の問題を繰り返さないための対策が重要です。破損の原因を詳しく分析し、根本的な解決策を講じることが必要です。

咬合力の管理

破損の最大の原因である過度な咬合力を管理するため、ナイトガードの使用や咬合調整を行います。また、食習慣の改善指導により、インプラントへの負担を軽減いたします。

ストレス管理も重要で、ストレスによる歯ぎしりや食いしばりを軽減するためのアドバイスも提供いたします。

材料・設計の見直し

再製作時には、より適切な材料の選択や設計の改良を行います。破損しにくい材料への変更や、力の分散を考慮した形態設計により、耐久性の向上を図ります。

費用と保険適用について

インプラントの破損に対する治療費用は、破損の程度と必要な治療内容により大きく異なります。患者様の経済的負担を考慮し、適切な治療オプションをご提案いたします。

治療費用の目安

人工歯冠の修理の場合、1-3万円程度の費用がかかります。全面的な作り直しでは、10-20万円程度の費用が必要となります。アバットメントの交換では、5-10万円程度の追加費用がかかります。

インプラント体の交換が必要な場合は、新規のインプラント治療とほぼ同等の費用がかかります。ただし、当院で治療を受けられた患者様には、保証制度により一定期間内の再治療については割引料金でご提供しております。

保証制度について

当院では、インプラント治療に対する保証制度を設けております。一定期間内の破損については、無償または割引料金での再治療を行っております。保証の詳細については、治療前に詳しくご説明いたします。

まとめ

インプラントが割れた場合でも、適切な診断と治療により問題を解決することができます。重要なのは、早期の受診と正確な診断、そして根本的な原因への対処です。また、日常的な注意と定期的なメンテナンスにより、破損のリスクを大幅に軽減することができます。

沖縄県那覇市のナハデンタルでは、インプラントの破損に対する包括的な対応体制を整えており、患者様の不安を速やかに解消いたします。最新の技術と豊富な経験により、確実で長持ちする治療を提供いたします。

インプラントの破損でお困りの際は、まずはお気軽にご連絡ください。迅速な対応により、患者様の不安を解消し、快適な口腔環境を回復いたします。専門的な知識と技術をもって、患者様のお悩みに真摯にお答えいたします。

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