- その他
- 2025.7.17
インプラントと義歯の併用治療とは|那覇市の「ナハデンタル」がご説明します

歯を失った患者様にとって、失った歯の機能を回復する治療法として、インプラント治療と義歯治療があります。従来は、これらの治療法はそれぞれ単独で行われることが一般的でしたが、近年では両者を組み合わせた併用治療が注目を集めています。
インプラント・義歯併用治療とは、人工歯根であるインプラントと取り外し可能な義歯を組み合わせることで、それぞれの治療法の利点を活かしながら欠点を補完する革新的な治療法です。この治療法により、患者様はより快適で機能的な口腔環境を手にすることができます。
沖縄県那覇市にある当院ナハデンタルでは、患者様一人ひとりの口腔内状況や生活スタイルに応じて、最適な併用治療をご提案しています。本記事では、インプラントと義歯の併用治療について、その特徴や適応症例、治療の流れまで詳しく解説いたします。
インプラントと義歯を併用する理由
インプラント治療と義歯治療には、それぞれ固有の利点と限界があります。これらの治療法を併用することで、より多くの患者様に適した治療選択肢を提供することが可能となります。
インプラント単独治療の場合、失った歯の本数が多い場合や骨量が不足している場合には、すべての欠損部位にインプラントを埋入することが困難な場合があります。また、治療費用が高額になる傾向があり、経済的な負担が大きくなることも課題の一つです。さらに、全身疾患や服用薬剤によって手術が困難な患者様もいらっしゃいます。
一方、義歯単独治療では、取り外し可能で清掃が容易である反面、咀嚼機能(噛む力)が天然歯と比較して低下し、装着時の違和感や発音への影響が生じることがあります。特に総義歯の場合、顎堤(歯茎の土手)の吸収が進むと、義歯の安定性が損なわれることがあります。
併用治療では、これらの課題を解決することができます。少数のインプラントを戦略的に配置することで義歯の安定性を向上させ、咀嚼機能を改善することが可能です。また、インプラントの本数を抑えることで治療費用を削減し、患者様の経済的負担を軽減することができます。
インプラント・義歯併用治療の種類と特徴
インプラントと義歯の併用治療には、いくつかの種類があり、患者様の口腔内状況や治療目標に応じて最適な方法を選択します。
インプラントオーバーデンチャー
インプラントオーバーデンチャーは、少数のインプラント(通常2~4本)を顎骨に埋入し、そのインプラントを支えとして総義歯を安定させる治療法です。この治療法は、全ての歯を失った患者様に対して特に有効です。
インプラントと義歯は、ボールアタッチメントやバーアタッチメント、マグネットアタッチメントなどの維持装置によって連結されます。これにより、従来の総義歯と比較して格段に安定性が向上し、咀嚼機能や発音機能の改善が期待できます。
▼インプラントオーバーデンチャーの適応症例 ・上顎または下顎の全ての歯を失った方 ・従来の総義歯の安定性に満足していない方 ・骨量は少ないが最小限のインプラント埋入が可能な方 ・経済的な理由で全顎インプラント治療が困難な方
治療のメリットとしては、少数のインプラントで大きな効果が得られること、義歯の取り外しが可能で清掃が容易であること、従来の総義歯と比較して咀嚼効率が大幅に向上することが挙げられます。一方、デメリットとしては、定期的なアタッチメントの交換が必要なこと、義歯の厚みがある程度必要なことがあります。
部分的なインプラント治療と部分義歯の組み合わせ
部分的な歯の欠損がある患者様に対して、一部の欠損部位にインプラントを埋入し、残りの部分を部分義歯で補う治療法です。この方法では、インプラントが義歯の支えとなり、義歯の安定性と咀嚼機能を向上させます。
▼適応症例 ・複数の歯を失っているが、全ての欠損部位にインプラントを埋入することが困難な方 ・経済的な理由で部分的なインプラント治療を希望される方 ・残存歯の状態が良好で、義歯の支えとして活用できる方 ・骨量が部分的に不足している方
この治療法の利点は、インプラントの本数を抑えることで治療費用を削減できることや、残存歯を活用できることです。また、段階的な治療が可能で、将来的にインプラントを追加することも可能です。
インプラント支持型ブリッジと義歯の併用
複数のインプラントを連結したブリッジと義歯を組み合わせる治療法です。主に大きな欠損部位にインプラントブリッジを設置し、他の部位を義歯で補います。
▼適応症例 ・前歯部など審美性が重要な部位と臼歯部の欠損がある方 ・咀嚼機能の回復を重視される方 ・部分的に十分な骨量がある方
この方法では、審美性と機能性を両立することができ、患者様のQOL(生活の質)の向上に大きく貢献します。
併用治療が適している患者様の特徴
インプラントと義歯の併用治療は、以下のような特徴をお持ちの患者様に特に適しています。
骨量の状態については、全ての欠損部位にインプラントを埋入するには骨量が不足しているが、部分的にはインプラント埋入が可能な患者様が対象となります。CT検査による詳細な骨量評価を行い、最適なインプラント埋入位置を決定します。
全身の健康状態では、重篤な全身疾患がなく、局所麻酔下での手術が可能な患者様が適応となります。糖尿病や骨粗鬆症などの疾患をお持ちの場合も、病状が安定していれば治療可能です。ただし、これらの疾患は治癒過程に影響を与える可能性があるため、主治医との連携が重要となります。
経済的な要因も重要な選択基準となります。全顎にインプラントを埋入する治療と比較して、併用治療は費用を抑えることができるため、経済的な制約がある患者様にも適用可能です。
患者様のライフスタイルも考慮する必要があります。取り外し可能な義歯の清掃や管理を適切に行える方、定期的なメンテナンスに通院できる方が適応となります。
インプラント・義歯併用治療の流れ
インプラントと義歯の併用治療は、綿密な治療計画に基づいて段階的に進められます。
初診・診査診断
初診では、患者様の主訴や治療に対するご希望を詳しくお聞きします。口腔内診査では、残存歯の状態、歯周組織の健康状態、咬合状態を評価します。
精密検査として、デジタルレントゲン撮影、CT撮影、口腔内写真撮影、印象採得を行います。CT画像により、顎骨の骨量、骨密度、神経や血管の位置を三次元的に評価し、安全で確実なインプラント埋入計画を立案します。
治療計画の立案
診査結果を基に、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立案します。インプラントの埋入位置、本数、義歯の設計、治療期間、費用について詳しくご説明し、患者様にご理解いただいてから治療を開始します。
治療計画の立案では、咬合機能の回復、審美性の向上、長期的な予後を総合的に考慮します。また、患者様のご要望や生活スタイルも反映した現実的な計画を提案いたします。
インプラント手術
局所麻酔下で、計画に従ってインプラントを顎骨に埋入します。手術は清潔な環境で行われ、感染予防対策を徹底しています。
インプラント埋入後は、インプラントと骨の結合(オッセオインテグレーション)を待ちます。この期間は一般的に下顎で2~3ヶ月、上顎で3~6ヶ月程度です。この間、必要に応じて仮義歯を装着し、患者様の日常生活に支障がないよう配慮いたします。
義歯製作
インプラントと骨の結合が確認された後、義歯の製作を開始します。精密な印象採得を行い、患者様の口腔内に最適にフィットする義歯を製作します。
義歯製作では、咬合の調整、発音機能の確認、審美性の評価を丁寧に行います。必要に応じて複数回の試適を行い、患者様にご満足いただける仕上がりを目指します。
調整・メンテナンス
義歯装着後は、定期的な調整とメンテナンスが重要です。初期の段階では、義歯の適合性や咬合の調整を頻繁に行います。
長期的なメンテナンスでは、インプラント周囲の清掃状態の確認、義歯の適合性のチェック、咬合調整を行います。これにより、治療結果の長期安定を図ります。
治療期間と費用について
治療期間の目安
インプラントと義歯の併用治療の期間は、患者様の口腔内状況や治療内容によって異なりますが、一般的に6ヶ月から1年程度を要します。
初診から治療計画立案まで約1ヶ月、インプラント手術から骨結合まで2~6ヶ月、義歯製作に1~2ヶ月程度が目安となります。骨造成などの追加処置が必要な場合は、さらに期間が延長される場合があります。
費用の内訳
併用治療の費用は、インプラントの本数、義歯の種類、使用する材料によって異なります。一般的に、インプラント1本あたり30~50万円、義歯製作費用が20~100万円程度となります。
詳細な費用については、治療計画立案時に詳しくご説明いたします。当院では、患者様の経済的負担を軽減するため、分割払いなどのお支払い方法についてもご相談に応じています。
保険適用について
インプラント治療は原則として自費診療となります。ただし、義歯の部分については、使用する材料や製作方法によって保険適用となる場合があります。
また、医療費控除の対象となりますので、確定申告時に医療費として申告することで税金の還付を受けることができます。
併用治療のメリット・デメリット
メリット
インプラントと義歯の併用治療には、多くのメリットがあります。
▼機能面でのメリット ・従来の義歯と比較して大幅な咀嚼機能の向上 ・義歯の安定性向上による快適な装着感 ・発音機能の改善 ・審美性の向上
▼経済面でのメリット ・全顎インプラント治療と比較した費用削減 ・段階的な治療による経済的負担の分散 ・長期的なコストパフォーマンスの向上
▼生活面でのメリット ・食事の楽しみの回復 ・社会活動への積極的な参加 ・自信の回復とQOLの向上
デメリット
一方で、以下のようなデメリットも存在します。
▼治療面でのデメリット ・外科手術が必要 ・治療期間が比較的長期 ・定期的なメンテナンスが必要
▼経済面でのデメリット ・初期費用が高額 ・定期的なメンテナンス費用 ・アタッチメントの交換費用
リスクと対処法
インプラント治療には、術後感染、神経損傷、上顎洞穿孔などのリスクがあります。当院では、詳細な術前検査と適切な手術手技により、これらのリスクを最小限に抑えています。
万が一合併症が生じた場合も、迅速かつ適切な対応により患者様の安全を確保いたします。また、術後の経過観察と指導により、治癒過程での問題を早期に発見し、対処します。
他の治療法との比較
インプラント単独治療との比較
インプラント単独治療と比較すると、併用治療は費用を抑えることができ、手術侵襲も軽減されます。しかし、咀嚼機能や審美性においては、インプラント単独治療の方が優れている場合があります。
患者様の価値観や治療目標に応じて、最適な治療法を選択することが重要です。
総義歯との比較
従来の総義歯と比較すると、併用治療は格段に優れた安定性と咀嚼機能を提供します。義歯安定剤の使用頻度も大幅に減少し、より快適な使用感を得ることができます。
ただし、費用や治療期間においては、総義歯の方が患者様の負担は軽くなります。
ブリッジ治療との比較
ブリッジ治療と比較すると、併用治療は隣接歯を削る必要がない点で優れています。また、欠損範囲が広い場合でも対応可能です。
しかし、取り外し式の義歯部分については、固定式のブリッジの方が使用感は良好です。
併用治療後のメンテナンスとケア
日常のケア方法
併用治療後の日常ケアは、治療結果の長期維持にとって極めて重要です。
▼インプラント部分のケア ・歯ブラシによる丁寧なブラッシング ・歯間ブラシやデンタルフロスを使用した清掃 ・抗菌性の洗口剤の使用
▼義歯部分のケア ・義歯専用ブラシによる清掃 ・義歯洗浄剤の使用 ・就寝時の適切な保管
▼アタッチメント部分のケア ・専用ブラシによる丁寧な清掃 ・無理な力を加えない着脱 ・定期的な点検と交換
定期検診の重要性
定期検診では、インプラント周囲炎の早期発見、義歯の適合性チェック、咬合調整を行います。これにより、問題の早期発見と対処が可能となり、治療結果の長期安定を図ることができます。
当院では、患者様の状況に応じて3~6ヶ月ごとの定期検診をお勧めしています。
長期的な予後
適切なメンテナンスを行うことで、インプラント・義歯併用治療は長期的に良好な予後が期待できます。インプラントの生存率は10年で90%以上と報告されており、義歯部分も定期的な調整により長期使用が可能です。
ただし、患者様の口腔ケアや全身状態、定期検診の受診状況により予後は大きく左右されます。
よくある質問(FAQ)
Q: 併用治療は痛みがありますか? A: インプラント手術時は局所麻酔を使用するため、術中の痛みはほとんどありません。術後2~3日程度は軽度の腫れや痛みが生じる場合がありますが、処方する鎮痛剤により十分にコントロール可能です。
Q: 治療期間はどのくらいかかりますか? A: 一般的に6ヶ月から1年程度です。患者様の骨の状態や治療内容により期間は変動しますが、詳細な治療期間については診査診断後にご説明いたします。
Q: 費用はどのくらいかかりますか? A: 治療内容により異なりますが、インプラント1本あたり30~50万円、義歯製作費用20~100万円程度が目安です。詳細な費用については、治療計画立案時に詳しくご説明いたします。
Q: 年齢制限はありますか? A: 骨の成長が完了する18歳以降であれば年齢の上限はありません。ただし、全身状態や服用薬剤により手術適応を判断いたします。高齢の患者様でも多くの方が治療を受けられています。
Q: 併用治療後の食事制限はありますか? A: 治療完了後は、ほぼ通常の食事が可能です。ただし、非常に硬い食べ物や粘着性の強い食べ物は避けることをお勧めします。詳細な食事指導については、治療完了時にご説明いたします。
ナハデンタルでのインプラント・義歯併用治療
沖縄県那覇市にある当院ナハデンタルでは、患者様一人ひとりに最適なインプラント・義歯併用治療を提供しております。
当院の治療方針は、患者様の安全を最優先とし、十分な診査診断に基づいた治療計画の立案です。患者様のご希望や生活スタイルを十分に考慮し、現実的で実現可能な治療目標を設定いたします。
▼当院の設備・技術 ・最新のデジタルCT装置による精密診断 ・コンピューターガイデッドサージェリーシステム ・清潔で安全な手術環境 ・熟練した歯科技工士との連携による高品質な義歯製作
▼豊富な実績と症例 ・年間200症例以上のインプラント治療実績 ・様々な難症例への対応経験 ・学会発表や論文発表による技術の向上
▼充実したアフターケア体制 ・24時間対応の緊急連絡体制 ・定期検診による長期フォロー ・患者様専用のケア用品の提供
当院では、治療前の十分な説明と同意を重視し、患者様が安心して治療を受けられる環境づくりに努めております。
まとめ|インプラントと義歯の併用で快適な口腔機能を
インプラントと義歯の併用治療は、それぞれの治療法の利点を活かしながら欠点を補完する、患者様にとって非常に有益な治療選択肢です。従来の総義歯や部分義歯と比較して格段に優れた機能性と快適性を提供し、患者様のQOL向上に大きく貢献します。
治療の成功には、適切な診査診断、綿密な治療計画、丁寧な手術手技、そして長期的なメンテナンスが重要です。また、患者様の日常的な口腔ケアと定期検診の受診が、治療結果の長期安定には欠かせません。
沖縄県那覇市のナハデンタルでは、豊富な経験と最新の設備を活用し、患者様一人ひとりに最適な併用治療を提供しております。歯を失ってお困りの方、現在の義歯にご不満をお持ちの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。
専門的な診査診断を行い、患者様のご希望に沿った最適な治療計画をご提案いたします。快適で機能的な口腔環境を取り戻し、豊かな食生活と自信に満ちた笑顔を手に入れましょう。