- インプラント
- 2025.3.3
インプラント周囲炎の予防方法

■インプラント周囲炎の予防策を解説
皆さん、こんにちは。那覇市久茂地のナハデンタルです。
近年、歯を失った際の治療方法としてインプラントが広く普及しています。天然歯と同じような見た目や噛み心地を実現できることから、多くの患者様に選ばれています。しかし、インプラントは適切なケアを怠ると、インプラント周囲炎という深刻な問題を引き起こすことがあります。これは、インプラントを支える骨や歯茎に炎症が生じる疾患であり、最悪の場合、インプラントが脱落するリスクもあります。本コラムでは、インプラント周囲炎の原因や症状、予防方法について詳しく解説し、患者様が健康な口腔環境を維持できるようにサポートいたします。
▼インプラント周囲炎とは?
インプラント周囲炎とは、インプラントを支える歯茎や顎の骨に炎症が起こる疾患です。天然歯における歯周病と似た病態ですが、インプラントは生体組織と異なり、自然な免疫機能を持たないため、一度炎症が進行すると治療が難しくなる特徴があります。
◎インプラント周囲炎の原因
インプラント周囲炎の原因の一つは、インプラント周囲に付着したプラーク(歯垢)や歯石です。これらが細菌の温床となり、歯茎に炎症を引き起こします。さらに、喫煙や糖尿病などの全身的な要因もインプラント周囲炎の発症リスクを高める要因とされています。
▼インプラント周囲炎の症状
インプラント周囲炎の初期症状として、歯茎の腫れや軽度の出血が挙げられます。これは、天然歯における歯肉炎と似た症状であり、多くの患者様が自覚しにくい段階です。しかし、この段階で適切なケアを行わないと、症状が悪化し、次のようなより深刻な症状が現れます。
歯茎の赤みや腫れ:歯茎が炎症を起こし、腫れや発赤が見られることがあります。
ブラッシング時の出血:歯磨きをした際に出血が見られる場合は、炎症が進行している可能性があります。
膿の排出:炎症が悪化すると、歯茎から膿が出ることがあり、口臭の原因にもなります。
インプラントの動揺:顎の骨が吸収されることで、インプラントがぐらつくことがあります。
痛みや違和感:咀嚼時に痛みを感じることがあり、進行すると日常生活にも支障をきたします。
これらの症状が見られた場合は、早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
▼インプラント周囲炎の予防方法
インプラント周囲炎を防ぐためには、日々のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスが欠かせません。具体的な予防策を以下に紹介します。
【方法1】正しいブラッシング
インプラントを長持ちさせるためには、適切なブラッシングが重要です。特に、インプラント周囲はプラークが溜まりやすいため、やわらかめの歯ブラシを使用し、丁寧に磨きましょう。歯間ブラシやフロスを活用することも効果的です。
【方法2】抗菌性のある洗口液の使用
細菌の繁殖を抑えるために、抗菌作用のある洗口液を使用するとよいでしょう。ただし、過度な使用は口腔内の正常な細菌バランスを崩す可能性があるため、歯科医師の指導のもと適切に使用することが大切です。
【方法3】歯科医院での定期検診とクリーニング
インプラントを長持ちさせるためには、歯科医院での定期的なメンテナンスが不可欠です。専門的なクリーニングを受けることで、家庭では落としきれない歯石やバイオフィルムを除去できます。
【方法4】生活習慣の改善
喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高める大きな要因です。タバコに含まれる有害物質が歯茎の血流を悪化させ、炎症を助長するため、禁煙が推奨されます。また、糖尿病をお持ちの患者様は血糖値を適切に管理することが大切です。
【方法5】適切な噛み合わせの管理
インプラントに過度な力がかかると、周囲の組織にダメージを与えることがあります。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討しましょう。
▼まとめ
インプラント周囲炎は、適切なケアを怠るとインプラントの脱落につながる深刻な疾患です。しかし、正しいセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを行うことで、そのリスクを大幅に低減することが可能です。日々のブラッシングやフロスの使用、洗口液の活用に加え、定期検診を受けることでインプラントを健康に保ちましょう。また、喫煙や糖尿病などの生活習慣にも注意を払い、全身の健康を意識することが重要です。