- インプラント
- 2025.12.22
【徹底比較】インプラントとジルコニアインプラントの違い
皆さん、こんにちは。沖縄県那覇市のナハデンタルです。標準的なインプラント治療で使用する「チタンインプラント」と、近年注目されている「ジルコニアインプラント」には、それぞれ異なる特徴やメリットがあります。患者様にとって、どちらを選ぶべきか判断する際には、それぞれの性質を正しく理解しておくことが大切です。本コラムでは、チタンインプラントとジルコニアインプラントの違いを分かりやすく解説し、安心して治療選択できるようご案内いたします。
▼チタンインプラントの特徴
1. 高い生体親和性と長い臨床実績
チタンインプラントは、半世紀以上にわたり世界中で使用されている標準的な素材です。チタンは生体親和性が非常に高く、骨と直接結合する「オッセオインテグレーション」が期待できます。そのため、長期間安定して機能することが可能です。多くの研究で10年以上の高い生存率が報告されており、信頼性の高い治療法として広く受け入れられています。
2. 強度と耐久性に優れる
チタンは軽量ながら強度が高く、噛む力が強い奥歯の治療にも適しています。食事の際にかかる大きな咬合力にも耐えられるため、患者様が普段通りに食事を楽しむことができます。歯茎や顎骨への負担を分散させながら、長期的に安定した咬合を実現する点が大きなメリットです。
3. 金属アレルギーのリスク
チタンは金属の中でもアレルギー反応が少ないとされていますが、完全にリスクがゼロというわけではありません。まれに金属に敏感な患者様では、歯茎の炎症や違和感が生じる場合があります。術前に金属アレルギーの既往がある方は、必ず歯科医師に相談することが大切です。
4. 審美面での課題
チタンインプラントは金属色を帯びているため、歯茎が薄い方や歯茎が下がった場合に金属色が透けて見える可能性があります。特に前歯の治療では、自然な見た目を重視する患者様にとって気になる点となる場合があります。
▼ジルコニアインプラントの特徴
1. メタルフリーで審美性に優れる
ジルコニアインプラントは白色のセラミック製で、歯や歯茎になじみやすいのが大きな特徴です。金属色が見える心配がないため、特に前歯など審美性を重視する部位で選ばれることが多くあります。自然な見た目を希望される患者様にとって、ジルコニアは魅力的な選択肢です。
2. 金属アレルギーの心配がない
ジルコニアは完全にメタルフリー素材であるため、金属アレルギーの心配がありません。過去にアクセサリーや歯科金属でかゆみや炎症を経験したことがある患者様でも、安心して使用できる点が大きなメリットです。
3. 耐久性と強度
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど硬い素材で、強度に優れています。ただし、チタンに比べると衝撃に対する粘り強さ(靭性)は劣るため、噛み合わせが強い方や食いしばりのある患者様では、チタンよりも破折リスクが懸念されるケースもあります。
4. 臨床実績の少なさ
ジルコニアインプラントは比較的新しい素材であり、チタンに比べると臨床データが少ないのが現状です。数十年単位での長期予後はまだ十分に検証されていないため、実績の豊富さを重視する方にとっては不安要素となるかもしれません。
5. 骨との結合性
近年の研究では、ジルコニアも骨と良好に結合することが示されていますが、チタンに比べるとオッセオインテグレーションのデータはまだ限定的です。適切な症例選択と歯科医師の経験が成功の鍵となります。
▼まとめ
チタンインプラントとジルコニアインプラントには、それぞれ異なる特徴とメリットがあります。チタンインプラントは長年の臨床実績と高い信頼性を持ち、幅広い症例に対応可能です。一方でジルコニアインプラントは審美性や金属アレルギー対策に優れており、特に前歯部や見た目を重視される患者様に適しています。どちらが良いかは一概には言えず、患者様のお口の状態や生活習慣、治療へのご希望によって最適な選択肢は異なります。当院ではそれぞれの違いを丁寧にご説明し、安心して治療を受けていただけるよう努めております。