- インプラント
- 2025.12.8
【インプラント】MRIやCT検査に影響する?治療前の不安を払拭
皆さん、こんにちは。沖縄県那覇市のナハデンタルです。インプラント治療を検討されている患者様から「インプラントを入れたらMRIやCT検査を受けられなくなるのでは?」というご質問をいただくことがあります。特に全身の健康診断や病気の精密検査でMRIやCTを受ける機会は少なくありませんので、不安に思われるのも当然です。この記事では、インプラントとMRI・CT検査の関係について、医学的な根拠をもとに詳しく解説いたします。治療前の不安を解消し、安心してインプラント治療に臨んでいただければ幸いです。
▼インプラントするとMRIできなくなる?
「インプラントを入れるとMRI検査ができない」と耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。しかし、結論から申し上げると、現在広く使用されている歯科用インプラントは、MRI検査に大きな支障をきたすものではありません。
歯科インプラントは主にチタンまたはチタン合金で作られています。チタンは非磁性体(金属の中でも磁石に引き寄せられない性質)であり、MRI装置の強力な磁場による影響をほとんど受けません。そのため、インプラントが体内に入っているからといって、検査自体が禁止されることは基本的にありません。
ただし、いくつかの注意点は存在します。
◎画像の歪み(アーチファクト)
インプラント周囲にMRI特有のノイズや画像の乱れが生じる場合があります。特に脳や顎の近くを撮影する際には、画像の一部が見えにくくなる可能性があります。
◎古い素材を使用したインプラント
現在主流のチタン製以外に、一部例外的に磁性を帯びる金属が用いられたケースもあり、その場合はMRIに影響する可能性があります。
患者様がMRI検査を受ける際には、必ず「インプラントがある」ことを医師や技師に伝えるようにしましょう。ほとんどの場合、安全に検査は可能ですが、検査部位や目的によってはCTなどの代替検査が選択されることもあります。
▼インプラントはCT検査に影響する?
CT検査は、放射線(X線)を利用して身体の断層画像を撮影する方法です。インプラントそのものがCT検査の安全性に影響を及ぼすことはありません。放射線による異常な反応や健康被害を引き起こす心配はなく、安心して受けることができます。
一方で、MRIと同様に「画像への影響」が問題となる場合があります。インプラントは金属であるため、X線が金属を通過しにくく、画像に白い影や乱れ(アーチファクト)が生じることがあります。特に顎や副鼻腔など口腔周囲の撮影では、インプラント周囲の細部が不鮮明になりやすいのです。
この点に対しては、医療機器やソフトウェアの進歩により改善策が講じられています。最新のCT装置では金属アーチファクトを低減する技術が搭載されており、従来よりも明瞭な画像が得られるようになっています。また、検査を担当する放射線科医や技師は、インプラントがあることを前提に撮影条件を調整しますので、診断に支障をきたすケースは少なくなっています。
患者様にとって重要なのは、検査を受ける前に「歯科インプラントをしていること」を必ず申告することです。医師側がその情報を把握していれば、適切な検査方法や画像解析を行うことができます。
▼まとめ
インプラントを入れたからといって、MRIやCT検査を受けられなくなることはありません。現在使用されているチタン製インプラントは非磁性体であり、安全性には問題がないとされています。ただし、画像が乱れる場合があるため、検査を受ける際には必ず「インプラントがある」ことを伝えることが大切です。インプラント治療と全身の検査は両立可能ですので、不安を抱えずに安心して治療をご検討ください。