- インプラント
- 2025.11.27
■インプラント治療に必要な骨造成とは?骨が足りない人・断られる人の選択肢
皆さん、こんにちは。沖縄県那覇市のナハデンタルです。歯を失ったとき、インプラント治療は「しっかり噛める」「自然な見た目を取り戻せる」といった大きなメリットを持つ治療法です。しかし、すべての患者様がすぐにインプラント治療を受けられるわけではありません。顎の骨が不足している方や、全身の健康状態に問題がある方は、そのままでは治療を断られるケースもあります。そのような場合に有効となるのが「骨造成」という治療法です。本記事では、インプラント治療を断られるケースと、骨造成について詳しく解説します。
▼インプラント治療を断られるのはどんな人?
◎顎の骨が不足している人
インプラントは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、骨と結合させて安定させる治療です。そのため、顎の骨の高さや厚みが足りないと、インプラントを固定できず治療が困難になります。特に歯を失って長期間経過している場合、歯茎や骨が痩せてしまい、インプラントを支える骨量が不足することが多いです。こうしたケースでは、そのままでは治療を断られる可能性が高くなります。しかし当院では治療が可能です。
◎重篤な全身疾患がある人
インプラント治療は外科手術を伴うため、全身の健康状態が重要です。糖尿病がコントロールされていない方、心疾患や重度の骨粗鬆症がある方は、術後の治癒が遅れたり感染リスクが高まったりするため、治療が難しい場合があります。また、抗がん剤や骨吸収抑制薬を服用している患者様も、顎骨壊死のリスクがあるため慎重な判断が必要です。
◎ヘビースモーカー
喫煙は歯茎の血流を悪化させ、インプラントの成功率を下げる要因となります。特に本数の多いインプラント治療では、喫煙が治癒不良やインプラント周囲炎のリスクを高めます。そのため、禁煙や減煙の取り組みができない場合には、手術を見送ることもあります。
◎口腔内環境が整っていない人
虫歯や歯周病を放置したままインプラントを行うと、治療後に周囲の組織に炎症が広がるリスクがあります。そのため、事前に口腔内の健康状態を改善し、清掃習慣を身につけていただくことが求められます。
▼インプラント治療の骨造成とは?
◎骨造成の目的
骨造成(こつぞうせい)とは、インプラント治療に必要な骨が不足している患者様に対して、人工的に骨を増やす治療法です。骨を補うことで、インプラントを安定して埋入できる環境を整えます。骨が痩せている方や、上顎洞に近い位置へインプラントを入れる必要がある方に行われることが多いです。
◎骨造成の方法
骨造成にはいくつかの方法があり、患者様の状態によって適切な手法が選ばれます。
・GBR法(骨再生誘導法)
骨が不足している部位に人工骨や自家骨を移植し、特殊な膜で覆って骨の再生を促す方法。比較的小規模な骨欠損に用いられます。
・上顎洞挙上術(ソケットリフト/サイナスリフト)
上顎の奥歯の骨が不足している場合、上顎洞(副鼻腔)の粘膜を持ち上げて人工骨を入れ、骨の厚みを増す方法。サイナスリフトは大きな骨造成が必要な場合に行われます。
・ブロック骨移植
患者様自身の顎や腰骨などから骨を採取し、移植して骨量を増やす方法。大きく骨が不足しているケースに適しています。
◎骨造成の注意点
骨造成はインプラント治療の成功率を高めるために有効ですが、治療期間が長くなるというデメリットがあります。骨が安定して再生するまでに数か月を要するため、インプラント埋入までのステップが増えることになります。また、患者様によっては骨の再生が十分に得られないこともあるため、事前の診査・診断が非常に重要です。
◎骨造成を受けるメリット
骨造成を行うことで、従来は治療を断られていた患者様でもインプラント治療を受けられる可能性が広がります。特に「総入れ歯しか選べない」と言われた方でも、骨を再生することでインプラント治療が可能となるケースがあります。しっかり噛める生活を取り戻したい患者様にとって、大きな選択肢となります。
▼まとめ
インプラント治療は、失った歯を自然に近い形で回復できる大変優れた治療法です。しかし、顎の骨が足りない、全身疾患がある、喫煙習慣があるなどの理由で、そのままでは治療を受けられない患者様もいます。そのような場合に有効なのが「骨造成」であり、骨を補強することでインプラントの適応範囲が広がります。骨造成にはGBR法、ソケットリフト・サイナスリフト、ブロック骨移植など複数の方法があり、患者様の状態に合わせて選択されます。治療を検討されている方は、まず精密な検査とカウンセリングを受け、自分に合った選択肢を知ることが大切です。